スマホ業界の激しいスペック競争。そんななかLEICAレンズ,6inch有機ELディスプレイ,長持ち4000mAhバッテリーなどのハイスペックを抱えて現れた「HUAWEI Mate 10 Pro」
名だたるライバルに立ち向かう、その使い心地をレビューします。
公式サイト
スペック
「1200万画素カラーセンサー+2000万画素モノクロセンサー」のカメラ機能はもちろん
4000mAhの大容量バッテリー、6インチ有機ELディスプレイなどの基本的な部分もしっかりハイスペック。
microSDが使えなかったり3.5mmイヤホンジャックが使えなかったりと少し劣る点があることも確かだがそんな些細なことは忘れさせてくれる。
そんな使い心地のHUAWEI Mate 10 Proを紹介しよう
開封と付属品
外箱の蓋を外した光景。
さっそく本体が現れ、その横には誇らしげに「HUAWEI DESIGN」の文字が添えられる
本体の下の段。
一度しか開封しない箱もそれなりに良くできていて好印象。
左側には本体の保護ケース。右側には充電器やUSBケーブル、イヤホンなど
内容物はこんな感じ
クイックスタートガイド, 保護ケース, AC-USB充電器, USB type-Cイヤホン, USB Type-Cケーブル, USB type-C→3.5mm変換ケーブル
AC-USB充電器
HUAWEI SuperChargeという独自の急速充電に対応した充電器。付属のUSBケーブルと組み合わせることで急速充電が可能となる
出力側の端子は一般的なUSB type-Aとなっている
出力は5V-2A or 4.5V-5A or 5V-4.5A。
USB Type-AとUSB Type-Cの端子をもつ1mくらいのケーブル。
HUAWEI SuperChargeに対応しており端子部分が紫色になっている。見分けやすいですね
最大で5Aという高い電流を流すため普通のケーブルよりは若干太め、しかし柔らかいケーブルで取り回しよく、品質も良さそうな感じ
付属のイヤホン。USB type-Cに差して使用するタイプ
EarPodsとほぼ同じ見た目。イヤホンを指していても周りの音が聞けるのが利点。音漏れがするのが欠点。
こういうこまかいところをAppleに寄せてくるあたりが残念。模倣ではなく自社ブランドに自信をもって作ってほしい
USB type-Cと3.5mm端子の変換ケーブル
5cmほどの長さ。付属してくれるおかげで余計な出費もなく従来のイヤホンが使える
付属の保護ケース
こういう柔らかい系のケース。
ケースを付けた様子。
ケースをつけると滑り止めにもなるため持ちやすくなる気がする。純正のため端子やボタン部のフィット感も良い。
しかし、半透明のケースなので誇らしげにしていた「HUAWEI DESIGN」とやらが見えなくなってしまう。
お世辞にもカッコいいとは言えない外観。付属とはいえ製品のデザインが劣るようなケースはどうだろうか
本体には初めから保護フィルムが貼られている。
フィルムは市販の物よりは指が滑りにくかったりと劣る点はあるが、付属なので文句は無い
届いたその日から保護ケースもつけて完全防備で使用することが出来る。こういう付属品は良いですね。好き
外観
背面の上部分
LEICA SUMMILUX-H 1:1.6/27 ASPH。1200万画素のカラーセンサーと2000万画素モノクロセンサーの二つのレンズ。その下にあるのは指紋センサー。カメラの左にはフラッシュ、右にはレーザーAF用の窓
横ストライプによりカメラ部分を強調するデザイン。これが良いアクセントになって背面デザインが引き締まって見える
本体下部。USB type-C端子とマイクやスピーカーの穴
スピーカーは音量もそこそこあり悪くはない音質。しかし下向きスピーカーなので画面を見ている際の臨場感?没入感?みたいなのは少し薄い
横画面で持つときに持ち方によってはスピーカーを塞いでしまうことがある。

通話用スピーカーと800万画素でF2.0のフロントカメラ
本体を横にしたときはステレオ再生に対応していて、本体上部のしょぼい通話用スピーカーからも音が出てそれっぽくなる「疑似ステレオ再生」である
HTCなどの本格的なステレオスピーカー搭載機種とは大きく劣るが、モノラルスピーカーよりは遥かに良い
右側面には電源ボタンと音量ボタン。
電源ボタンに親指が届くように持つと、指紋センサーに人差し指が届く。よく出来た配置
使用感など
カメラ
選べる撮影モード。パノラマ撮影などの定番機能に加えて夜間撮影やスロー撮影、文書を見やすく整える文書スキャンモード、フィルタをかけたものも撮影できる。
右側はフィルタ選択時の画面。リアルタイムでフィルタの効果を確認できるため選びやすい、またフィルタの強さなども変えられ、気軽にインスタっぽい写真が撮れる
一通り必要そうな機能は純正カメラアプリで網羅しているような感じだ
目玉の一つのワイドアパーチャ。
撮影後に純正ギャラリーアプリでAFポイントの変更やボケ感を強くすることが出来る。アスペクト比は4:3固定となる
これがワイドアパーチャによりボケ感を強めた写真。ボケはもっと強くすることもできるのだが、そうすると突然ボケ始める不自然な写真になるためほどほどが一番。
背景がボケると「主役っぽさ」が強まる。
ここからは初心者がオートで適当に撮った写真を貼っていこう
逆光の空のシーン認識があり、自動で認識してくれたので撮った写真。それっぽい
植物系もシーン認識がある。奥側がぼけているのは自動でそういう設定にしてくれたのだろうか?
モノクロモード。モノクロで撮るとこういう細やかな部分がカッチリ描写されて素材感?がよく表現される気がする
周りも暗くなり街灯がつき始めた時間。ノイズも少なくて良い感じなのでは
感想としては「何も考えずに撮ってもわりとそれっぽい写真になる」だろうか
AFも早くて正確。暗いところの写真ではノイズが少なく、カメラを売りにしてる機種だけあるな~と納得。
AI認識での撮影では空の青・木々の緑などは実際の見た目より鮮やかに映る。Huaweiの絵作りとしては「現実の景色をそのままに」というよりは「現実の景色をより綺麗に」という感じなのだろう。
私は「SNS映えのする絵作り」だと思う。美味しそうなものはより美味しく、きれいなものはより綺麗に。他人に共感を求めるSNSによく合った絵作りだと思う。
それっぽく写真が撮れるから自然とスマホカメラを使う機会も増えた。「その場の雰囲気を気軽に切り取れる」、非常に満足のいく出来。
指紋センサー
その認識の速さもすごいのだが、それよりもこの指紋センサーの位置も良い
持ちやすいように持つと自然と人差し指が指紋センサーの位置にくる。
適当にカメラレンズと並べてオシャレっぽくしているわけではない、非常によくできた配置だ
指紋登録は指紋の上側や横側などを何度も認識させる必要があり少々面倒に思ったが、そのあとの一瞬でロックが解除される快感を味わうとそんな些細なことは気にならなくなる。
背面に指紋センサーがあるので机に置いた場合は使えなくなってしまう。この点は不便だが仕方ない
本体はIP67の防水・防塵性能があるが、指が濡れた状態だと指紋センサーはいまいちな認識制度になってしまう。
汚れた指や汗ばんだ指でも認識しづらくなるのでしっかり綺麗にした乾いた指で指紋センサーにタッチしよう。
電池持ち
特に未使用時の電池の減り方が少なく電源管理の巧みさが感じられる。
反面、重めのゲームを何時間も続けてやるとそれ相応に電池も減ってしまうという感じ
この機種の大きなアピールポイントの一つだ。
急速充電
急速充電規格の主流のQualcomm QuickChargeに対応していない点には注意が必要だ。
背面の反射
あまりガラスの厚み?を感じない表面で反射する感じ?
背面の大部分をを担う平面部分は鏡のようにシャープな反射、しかし端のほうはなだらかに曲面になっていてガラスの艶感のある反射。
いいとこどりですね、たまらない出来
ケース無しだと恐ろしいくらいに滑る
背面がガラスというのも一つの理由だが、それより主な原因がコレ。カメラ部のちょっとした出っ張り
ベッドの上で音ゲーをやろうとシーツの上にスマホを置き、フリックするとスマホがズレる。
背面の美しいデザインを楽しむべくケース無しで過ごすには、この試練に耐えねばならない
「ミッドナイトブルー」という色
主張しすぎない暗い色だが、背面の反射により高級感が滲みだす。
重くはないけど少しだけ重く感じる
恐らくこのように重心?が手のひらに収まらないため、持つのに重量以上の力を必要としてしまい結果的に少し重く感じてしまうのではないだろうか
まあ、不快なほどの重さではないので慣れれば気にならない
小柄な女性の方だと片手持ちは少し大変かな?
大画面端末なので両手で操作していても不審に思われることもないだろう
「Kirin」という名のSoC
有機ELディスプレイの魅力
画面全体をバックライトで照らしてその光を液晶というシャッターで遮って"黒"を表現します。しかし液晶で光を完全に遮る事はできないため、なんか明るい白っぽい"黒"になってしまう。
バックライトは無く光らせたいところに電圧をかけると光るというもの、つまり電圧をかけなければ光らないため真っ暗な完全な"黒"が出来る。最高
液晶ディスプレイに比べて最大照度が低いため、太陽の下で見ると明るさMAXでも暗くて見えづらい点だ。昔のOLEDに比べると改善されてはいるが太陽光下だとやはり液晶より見えづらい
そしてもう一つの弱点が焼き付き。
長時間同じ画面を表示していると焼き付いてしまい、別の画面に切り替えてもうっすら色や模様が残ってしまうというもの
しかし私は6年ほどOLEDスマホを使ってきたが今のところ焼き付いたことは無い。恐らく普通に使う範囲では焼き付くことは無いんじゃないかな...?
自動で画面消灯しない状態で寝落ちしちゃったりすると焼き付くかもなので、その辺は少し気を付けよう
これらの欠点もあるがそれも霞むほど"黒"が綺麗。そして黒以外の色も液晶より鮮やかに写る
食わず嫌いしているひともぜひ一度試して欲しい
HUAWEI安心保証について
今回私はMVNOの回線と端末のセットを購入したのだが、保証約款内の「移動体通信事業者で販売されている当社製品を除く」の文が気になったのでサポートにメールしてみました
保証約款における「移動体通信事業者で販売されている当社製品を除く、当社が予め定めたコンシューマ向け製品の本体のみとし、新品のものとします」との記載はSIMフリーと同じ名前の機種で、キャリア向けモデルとして販売された機種を除外するという意味でございます。JcomやUQモバイル、(ソフトバンクもかな?)などから販売されている製品はどうやらだめらしい
引用:Huawei Support(Japan)のメール返信より
基本的にそれ以外のMVNOからの購入なら大丈夫っぽい?気になる方はサポートに聞いてみてね
ファーウェイ安心保証/ファーウェイ延長保証へ加入するには2つの方法があります①製品ご購入と同時加入、または製品ご購入から1週間以内にご加入される場合
②製品ご購入から10ヶ月以内に、製品の修理や点検とあわせてご加入される場合(本ページ中盤以降でご説明します)
引用:http://www.support-huawei.com/product_in_use/product_warranty/how_to_join.html
大きな不満のない優等生。
この機種は良い機種だ。大きな不満も無く使えるという点で「優等生」だと思う。ではGalaxyやiPhoneと比べるとどうだろう、勝っているだろうか?
個人的な主観としては、「GalaxyやiPhoneには少し届かない」そう感じる。
ソフトウェアの作りこみ。GalaxyもHuaweiもAndroidを独自にカスタマイズしているが快適さやUIの統一感、Androidの痒い所をよりフォローできているのはGalaxyだと感じる。
製品サイクルの速さ。
HuaweiではMateシリーズとPシリーズを半年ごとにリリースしている。Huaweiのフラッグシップを購入したつもりが半年後には似たようなスペックで細部が強化されたモデルが販売される、言い方が極端だが「買って半年で型落ち」。
GalaxyやiPhoneではフラッグシップは1年ごとのリリースなためそういった不安もない。
値下げに伴う価値の下落。
発売当時は9万円近くしていたのに、発売半年ではセールで5万円以下。今から買う人は良い機種がお安く買えるので良いのだが、発売当時に購入した人はなかなかに辛いだろう。
そして新品価格が下がると中古価格も下がってしまう。1年使って飽きたので売ろうとしたら思ったよりも安い値段でしか売れない。
Huaweiの製品はGalaxyやiPhoneと比べて「所有したことに対する満足感」のようなものが薄いと感じる。
「価格が競合より安いから買う」「同じ値段なら競合製品を買う」そんな感じ。
不満はないし全然悪くない。でもべた惚れになるほどの圧倒的な魅力はない。そういう点も含めて「優等生」であり「優等生」以上でもない。
まとめ
メリットとデメリット
・4000mAhのバッテリーで長持ち2日間。そして充電もかなり早い
・初心者でもそれっぽく撮れるハイレベルなカメラ
・6インチ有機ELで完璧な"黒"が最高
・高級感のある背面デザイン。反射の感じも良いし色も良い、好き
・届いたその日から保護フィルム&保護カバー付き
・指紋センサーは認識が速く、置くだけサッとロック解除
・ハイスペックなKirin 970、6GBメモリ
このようにメリットは多くあるが、一番は不満を感じることなく快適に使えるところ
・3.5mmイヤホンジャックが無い
・microSDが使えない
・恐ろしく滑りやすい
しかし、ドライブレコーダーのmicroSDなどを確認したいときなど、ほんの少しmicroSDスロットが恋しくなるときがある
終わりに
安いスマホでもこのスマホでも"出来ること"はほとんど変わらない変わるのはそれを"快適に出来るか"である
毎日使い続けるスマホなのだから少しの快適で大きく生活は変わる。
安いスマホもいいがもう少しお金を出して「HUAWEI Mate 10 Pro」を買うのも良い選択ではないだろうか.
0 件のコメント :
コメントを投稿